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【まんがのかき方全百科】「4こま漫画」

CATEGORY作法
前回までは「テーマからアイデアを捻出する勉強法(あるいは方法論)」をまとめていたわけですが、全百科ではそうやって捻出したアイデアを話に盛り込む為の方法論として「4こま漫画」の基本的な考え方と「起承転結」を紹介しています。

起承転結についてはググればいくらでも情報は出てきますが一応説明しておきますと、これは物語の流れを4つに区分しそれぞれの役割を意識して物語を分析したり、作ったりしていく考え方。具体的には大体

起...物語の始まり
承...物語の展開
転...物語の流れや状況の変化
結...物語の終幕

という役割になります。

全百科ではこれを4コマ漫画の構成になぞって説明しており、4コマ漫画が「4コマ」である理由について「一つの話には始まりと終わりがある。これで2コマ必要となり、始まった話がどうなったかを説明するのにもう1コマ。さらに、話がどう変化したかを説明するのにもう一コマ。これで4コマ必要になる」としています。

そしてさらに、「始まった話をきちんと読者に説明するために起承転結という並びが必須である。起転承結ではダメだ」としています。

さて、ではアイデアを話に盛り込む為にこの起承転結がどう関わってくるのか。これについても全百科では4コマ漫画に準えて説明しており、そのトリガーは「結」、そしてキーポイントは「転」にあるとしています。

4コマの中では、結は「オチ」であり、最終的に作者が伝えたい事や狙いがここに集約します。そして、「結」を効果的に表現する為には「転」を工夫する必要があるのです。そして、「起」「承」は「転」「結」を読者に理解させるための説明の部分となります。

と、ここまでは4コマ漫画の作法ですが、これを応用して具体的にアイデアをシナリオに落とし込んでみます。前回の連想の説明で挙げた例2を例にしますと、

○ 今回取り上げるアイデアは意外性を狙えるものだと思うので、オチは「主人公たちが対象のゴブリンと出会って予想外に美形なのでびっくりする(読者もびっくり)」としてみる。

○ 「転」では「結」の意外性を強調するために、対象のゴブリンが醜いものであると強調するような内容で考えてみる。対象のゴブリンをラスボスとして、その前座のすごい醜くて強いゴブリンを倒して安心していたら、そいつが死に際に「我らのボスはもっと醜くて強い」みたいな捨て台詞を吐いたり。

○ 「起」「承」はその説明や補強に充てる。何かの事情で対象のゴブリンを倒す事になるのが「起」。対象のゴブリンがとても醜く、同族からも忌避されているみたいな情報を流すのが「承」。

○ 「転」で出すゴブリンを偽のラスボスっぽく表現すれば、「転」で自分たちが倒したラスボスっぽいゴブリンが実はラスボスではなかった、という驚きを与えることが出来るかもしれない。

○ また、人間側でラスボスの顔を知っている人がいないのなら、序盤の方で主人公たちの前に正体を隠したまま姿を現しておけば、「結」に来た時に「あそこに出てきた美形のこいつがまさかターゲットだなんて」という驚きを読者に与えることが出来るかもしれない。

まとめますと

起...主人公たちが美形の亜人からゴブリン退治の依頼を受ける。

承...情報を集めると、どうやらゴブリンのボスはすごく強くて醜く、仲間の間でも忌避されている存在らしい。

転...ゴブリン退治に住処に乗り込む。ボスらしい敵と戦うが、そいつはボスではなく、更に強い相手が最奥にいるようだ。

結...奥には自分たちに依頼をしてきた美形亜人がいた。そいつはゴブリンと別の何かのハーフで、自分たちの集団の行為を見るに見かねて依頼してきたらしい。醜悪というのはゴブリンの美的感覚から見てという話で、ゴブリンから見て醜くても人間から見れば……という事だった。

こんな感じで、「結(オチ)」でアイデアをどう表現するかを考え、それを生かすために「転」をどう作るかを練り、その説明と展開のために「起」「承」を盛り付けていく。という流れで考えていきます。

次回は全百科の内容から少し離れ、「起」や「転」にアイデアを適用する考え方を述べたいと思います。

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