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起承転結の「起」や「転」にアイデアを盛り込む時の考え方

CATEGORY作法
今回の話は、前回の『【まんがのかき方全百科】「4こま漫画」』の補足です。これは私論となります。

前回は『「結(オチ)」でアイデアをどう表現するかを考え、それを生かすために「転」をどう作るかを練り、その説明と展開のために「起」「承」を盛り付けていく。』という流れを説明したと思います。

これ自体は、単に4コマ漫画の作り方だけではなく、一般的な話の作り方に応用できる手法だと思います。ただ、特に長編の場合は話の出だしである「起」や「転」にアイデアを盛り込みたい場合もあるでしょう。その場合はどうするか。

その場合、オチを持つか持たないかで手法が変わってきます。


■ オチを持つ場合

この場合『「結」に向けて話を作り込んでいく』という前回の手法は変わりませんが、考える手順は『まず「起」や「転」でアイデアをどう表現するか考え、それを「結」でどう変化させるかを考えていく』という風に変わります。例として前回の例を「起」に盛り込む場合と「転」に盛り込む場合を挙げてみます。まず「起」にアイデアを盛り込む場合。

○ アイデアを話の出だしに採用する場合、依頼主や敵を「美形のゴブリン」にしただけは出オチになりがちで話にあまり特徴が出そうにないので、「主人公が美形のゴブリン」ということにする。

○ 最終的にこの主人公がどうなるのがいいのか。あるいは作者としてどうしたいのかを考えてみる。おそらくは、主人公は人間とゴブリンの板挟みにあうのだろうから、最終的に人間ともゴブリンとも仲良くなるのがいいのだろう。

○ とすれば「起」や「承」では対立関係が描かれていなければならないだろう。そして、「転」がターニングポイントとなるだろうが、対立関係がより深刻であるほど「転」「結」が生きてくるだろう。

○ 「転」は主人公の設定「美形のゴブリン」が生かされるような展開がいいだろう。美形であることが利点として働いて仲良く出来る展開を考えてみる。

……というように、出したアイデアをどう着地させるか。そのための道筋をどうするか。という風に考えていきます。

続いて「転」にアイデアを盛り込む場合。

○ 「美形のゴブリン」を状況の転換点とするのなら、「起」「承」では(少なくとも主人公の認識では)「美形のゴブリン」は存在していなかったということになるだろう。

○ それが現れた結果、主人公はどうなるのがいいのか考えてみる。主人公が女性なら手のひらを返したような対応になるかも知れないし、それほど悪人でないのならむしろゴブリンに主人公が加勢するかも知れない。男性であった場合、より明確に敵意をあらわにするようになるかも知れないし、話が通じるのであれば和解する展開もあるかもしれない。

○ こうやって考えていったオチから「起」や「承」をどうするか考えてみる。

……とこんな感じで「起」の場合と同じく、出したアイデアをどういうオチにするか、そのための道筋をどうするか、という風に考えるわけです。


■ オチを持たない場合

では、オチがない場合はどうでしょう。具体的には、例えば「美形のゴブリン」が主人公で彼が冒険をする、という出だしと大まかな流れは決まっているが、最終的にどうするかは後々決めたい。みたいな感じの時です。

その時は、以前にまとめました「置換」「誇張」「逆転」「連想」であとの流れを考えてみます。

例えば置換で考えるのなら他に美形の人物や亜人を出して主人公にぶつけてみたり、誇張で考えるのなら彼が街に現れた時のただ事ならない周りのリアクションを描く方向で考えてみたり、逆転なら人間に味方して醜いゴブリンとの対決する様を描く方向で考えてみたりします。連想は、『美形』または『ゴブリン』から想像される単語を列挙して、改めて「置換」「誇張」「逆転」でひねっていく方向で考えていくわけです。

また、物語としての最終的なオチは付けられなくても、話の区切りごとの細かいオチは付ける事が可能だと思いますので、先ほど挙げた「置換」「誇張」「逆転」「連想」でひねり出した内容で細かい話を作り、それを起承転結で考えてみるというやり方もありだと思います。

次回は全百科の内容に戻り、4コマ漫画の起承転結の考え方を長い話のストーリー構成に用いる考え方をまとめます。

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