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【まんがのかき方全百科まとめ】ストーリー構成の作戦

CATEGORY作法
前回で、起承転結の考え方で長い物語を構成するにはどうするかについてまとめました。

そこでは話を起承転結に分解していく方法について語られていたわけですが、手順としてまず大元になる話を分解するところから始めていました。では、その大元の話はどう作ればいいのでしょうか?

それは、「テーマを定め、それを話に落とし込む」事になります。テーマとは前に説明したあの「テーマ」です。

さて、ではこの「テーマを話に落とし込む」にはどう考えていけばいいでしょうか?

その説明について大百科では「序破急」の考え方に触れ、それで説明しています。

序破急は起承転結と同じく作品全般の基本構造モデルの一つで、大百科の中では「起承転結の起と承を一緒にしたものである」と定義し

序...話が始まり
破...事件が起こり
急...事件が解決する

という風に説明しています。

事件というのは犯罪的な事件という意味だけではなく、「試合を申し込まれる」とか「告白される」とか話の主軸となる出来事全般をさします。また解決は単に成功を意味するだけではなく、失敗なども解決の一種と捉えます(そういう意味では決着という表現がより正確かも知れません)。

詰まるところ全百科では、「ストーリーというものはテーマに関わる事件が発生しそれを解決するものである」としているわけです。もちろんどこかに例外はあるかも知れませんが、大体のストーリーはそういう物だと自分も思います。

とすれば、まずテーマに関連した事件を考え、それが解決する様・過程を想像できれば、テーマは話に落とし込めるということです。

ただ、「これをそのまま素直に考えたのでは面白い話にならない」と全百科ではしています。野球漫画を例に出して、「努力がテーマだとして、主人公が試合を申し込まれ努力してただ勝つだけでは面白い漫画にならない」と述べているのです。

そして、それを解決するために「ストーリー構成には作戦が必要だ」としています。

ちなみにこの作戦にも、過去に述べた「置換・誇張・逆転・連想」の考え方が使えます。

例えば全百科では「逆転」を使っています。努力して強くなるのは当たり前なので、「努力しても強くなったように見えないチーム」というのを例として出しているのです。

そこでは『だが「弱いけどまぐれで勝った」は「強くて勝った」と同じくらいつまらない』とし、そこでさらに作戦を練って「努力の結果が練習シーンでは現れず、試合中に徐々に現れる」事によって、読者をハラハラさせ面白く見せる事が出来る、と述べています。

ちなみに野球漫画ではこの「努力がテーマだとして、主人公が試合を申し込まれ努力してただ勝つだけでは面白い漫画にならない」問題を上手く解決している作品が多いので、興味があったらこういうベクトルから見てみるといいでしょう。

また、構成を考える際には話の盛り上がりを後半に持っていくのを意識する事も全百科では述べられています。先ほどの例ですと「試合中に努力の成果が徐々に現れる」という、ドキドキハラハラする部分が盛り上がりになります。

次回は全百科のまとめから離れ、ストーリー構成の最近の流行とも言える「三幕八場構成」に関して、起承転結や序破急に絡めた私論を述べたいと思います。

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